本文へスキップ
ノンフィクション作家・平井美帆 オフィシャルウェブサイト

Welcome to Nonfiction Author, Miho Hirai’s Official Website.
















  • 2021年度 (第19回) 開高健ノンフィクション賞受賞
    『ソ連兵へ差し出された娘たち──証言・満州黒川開拓団


    NEW!
    2023年4月21日
     
    第54回大宅壮一ノンフィクション賞(2023年)4候補作にノミネート

     残念ながら受賞にはいたりませんでしたが、大宅壮一ノンフィクション賞の候補作に選ばれて光栄です。
     私はこの出来事を知った時、またその後報道されるようになってからも、「何かおかしい、違う」という引っ掛かりをどうしても流せませんでした。今回のノミネートは、私だけの力ではなく、私を信じ、ときには励まし、心を開いてくれた方々のおかげです。「もうすぐ私の人生、終わっちゃうよ」などと言いながら、真実と本音を打ち明けてくれた被害者のおばあさんに嬉しい報告をすることができました。また、数多くあるノンフィクションの中から本作が選ばれたのは、私の祖国である日本が女性個人の尊厳により自覚的になってきたからだと感じます。取材にご協力いただいた皆様方、選考関係者の皆様方、誠にありがとうございました。2023年5月18日

    2022年9月27日「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」ファイナリスト 10作品にノミネート

    2022年7月26日 Yahoo!ニュース 本屋大賞ノンフィクション本大賞ファイナリスト 6作品にノミネート

    書評など



    『ソ連兵へ差し出された娘たち』に対する誤った認識が拡散されたことについて

      遺族会(遺族会会長 兼 白川町議会議員)の見解、かねてから会長と懇意にしていた大賀由貴子 記者(岐阜新聞)等の片面的記事には、「承諾なしに関係者を実名表記した」「不確かな情報に基づき、承諾もなく実名で書かれている」といった記載があるが、本作品では、被害に遭われた女性のうちご存命の方々について、承諾を得た方のみ実名にしており、「承諾もなく実名で書かれている」などとする記述は極めて不正確である。また、本作品は十分な取材に基づくものであり、「不確かな情報に基づき・・・書かれている」とする記述も全くの誤りである。さらに、本作品には名誉毀損を構成する記述はなく、このような見出しも全くの誤りである。集英社から事実の誤りを指摘する反論を行った後も、遺族会の一方的な主張を不正確な見出し付で漫然と公開し続けることは許されることではない。


    P.S Jan.2024
     この本の出版後、2023年秋、遺族長夫妻とともに、ひとりの高齢女性の被害者にたいして、大勢で、大賀由貴子 記者(岐阜新聞)、テレビ朝日 松原文枝氏等は集団取材をしている。ほぼ前からのメンバーだが、何か上書きしたかったのだろうか。「(記者などが)10人以上はいたよ」と当事者は驚いたと語っていたが、いつものごとく、立場性にものを言わせた事後承諾なのだろうか。また、表でいえることを1回のインタビューとして記録に残すのはけっこうだが、組織(ムラ)内権力勾配、事前の被害者への情報提供と承諾、「組織内での性加害」という構造自体がそもそもわかっていないのではないかと、いまもって疑問である。……もしかしたら自分たちもずっと「組織」にいるから鈍いのだろうか。たとえば、自分が属する組織内で、まったく知らない入社したての派遣社員から性被害を訴えられたら、ちゃんと対応するのだろうか。社長とともに10人以上で1人の女性被害者の聞き取りをして、その場の言葉のみを”調査結果””事実”とするのだろうか。グループ内の力ある人を敵にまわしても、反対意見を独りでいえるのかな。
     黒川開拓団の取材になぜいつも遺族会長(未体験)がいるのか、なぜお墨付きでしか取材しないのか、意味がわからない。目の前にいる遺族会長に、ずっと高齢女性当事者が迎合的な態度しかとらない現象についても無自覚すぎますね。記者・専門家もイエスマンでないとパージされるのか知らないけど。(岐阜新聞の大賀記者、私の本からインプットを得て書くなら、表で私の名誉を棄損する記事をせっせと書いてないで、そのことを書いたらどうですか。)

     
    なお、遺族会長が当該女性被害者と直接会ったのは、『ソ連兵へ差し出された娘たち』の267ページに書いたとおり、2016年夏以来である。事実として言うが、2016年夏の初対面は私に彼女に伝えて実現した。出版後、遺族会長は彼女には(+私への当初の手紙でも)、『ソ連兵へ差し出された娘たち』でいろいろ知ったと言い、現実的に私の本がきっかけとなってようやく彼女と再会できたわけだ。本人に承諾もなく、10人以上の記者・撮影者を引き連れて……。後々どう使われるのか、ご本人はもちろん知らされていない。
     この指摘を読んで、また事後的に証拠づくりをするのか知らないが、あとから都合よく事実は変えられないんですよ。
     表では、遺族会(長)を称える内容を取材能力に欠ける新聞記者らに書かせ、私にはお抱え教員を動員してあの手この手で嫌がらせ。一貫して私の取材や成果は利用しつつ、社名のあるメディアには異なる態度をとる。みんな遺族会(長)には、本当に不都合な真実をいわない・書かない・気づかない人たちばかりだ。未成年者を含む性暴力強要とそこにあった男性有力者達の連携は、個別的な女性の人権にかかわる問題であって、「遺族会」の歴史とは別ものである。
     本でも指摘しているが、遺族会は極めてパターナリズムの強い「長」の会である。そもそも、ムラ(村)の人びとを集めて満州へ渡るとき、引揚げ直後からして、表の集団の歴史はそういうムラの有力者たちが創り、情報を抑制・掌握してきたのである。これは日本社会の実質的なあり方とつながる話ではないだろうか。しかも、黒川開拓団の遺族会長は、長年白川町の町議会議員だから公権力性のある立場である。





    満蒙開拓団「性接待」の初ルポタージュ。生存する被害女性たち全員を
    自らの足で探しだし、丹念に向きあった記録をまとめました。

     「
    忘れたい あの凌辱の日々 
       忘れさせない乙女たちの哀咽

    このルポがきっかけとなって、全国のメディア(テレビ、新聞)が
     黒川開拓団の女性たちを追う



     2016年9月20日発売『女性自身』に寄稿(取材・文・写真)。
    終戦後、旧満州で追いつめられた日本人開拓団では集団自決が多発。
     極限状態のなか、黒川開拓団(岐阜)が選んだのはソ連進駐軍とのあるバーターだった…
     接待とはいったい、何なのか?
    「乙女の詩」に秘められた想いとは? 闇に葬られてきた被害女性らの貴重な初証言。
     
    「電子書籍版」『中国残留孤児 70年の孤独』
      
    2016年8月26日、配信

    『中国残留孤児 70年の孤独』書評の紹介はこちらへ

    中国残留孤児 70年の孤独
    平井 美帆
    集英社インターナショナル
    2015-10-26








ナビゲーション

バナースペース